オクラみたいなメガネ

オクラ合同会社の運営する社内製造メガネブランド「RUISM」と「眼鏡ノ奥山」での日々の出来事を書くブログです。

オクラ合同会社の運営する自社ブランド「RUISM」と「眼鏡ノ奥山」は

完全自社内製造のメガネブランドです。

日々の制作で感じることや考えていることを書いております。

御注文をいただく前に御覧いただければ幸いでございます。

 

研磨彫刻

制作工房の銀太郎です。

 

眼鏡のデザインはいろいろありますが、角ばった形のものを仕上げるときも、外見のデザインの美しさをたもちながら、肌に触れる部分を程よい肌触りになるよう角を丸くして仕上げをします。

 

セルロイド生地から切り出された眼鏡をヤスリで形成した後、モーターにより高速で回転する布に研磨材を付着させ、そこに眼鏡の生地を当てて磨いていきます。

この機械は彫金など金属製の指輪や金具の磨き仕上げでも使用するものです。

 

 

この作業工程は「バフがけ」といいますが、セルロイド樹脂製の眼鏡制作の場合は金属加工よりもさらに高度な技術が必要になります。

 

金属の品物を仕上げるときは、表面のキズだけを狙って磨き取っていきますが、眼鏡の材料となるセルロイド生地は柔らかく、キズだけを狙って磨くと勢いよくすり減ってしまいます。

またセルロイド樹脂はデリケートな材質なので、強く研磨すると摩擦熱により表面が溶けて形がくずれてしまうこともありますので、水に浸けて冷やしながら作業をします。

 

パーツの角を丸く美しいラインに整えるよう意識しながら手を動かしていきます。

磨きながら形を作っていく感覚です。

この作業は研磨彫刻とも呼べるでしょう。

 

 

素材の性質の理解力の微調整、そして彫刻のセンスも必要な作業になります。

 

眼鏡ノ奥山で作られるセルロイド樹脂の眼鏡はすべてこの技術を基にして作られています。