オクラみたいなメガネ

オクラ合同会社の運営する社内製造メガネブランド「RUISM」と「眼鏡ノ奥山」での日々の出来事を書くブログです。

オクラ合同会社の運営する自社ブランド「RUISM」と「眼鏡ノ奥山」は

完全自社内製造のメガネブランドです。

日々の制作で感じることや考えていることを書いております。

御注文をいただく前に御覧いただければ幸いでございます。

 

「マット加工は掛ける人の手間が掛かります」と言うことが増えました。

先日、RUISMのFBページで掲載したスタイリストK様とのコラボモデルへの

お問い合わせが続いております。(カッコイイですよね)

 

※スタイリスト K様コラボモデル(ベースはRUISMの002シリーズ)

 

こちらのメガネは磨き上げた光沢を出さないで仕上げる、

「マット加工」とか「梨地加工」と呼ばれますが、

 

どこかの修行僧のような作業工程なんです・・。

 

セミオーダーまたはフルオーダーでオフィスまで御来訪いただくお客さまから、

 

「奥山さんの掛けている眼鏡の色が欲しい」とよく言われます。

 

セルロイドフレームだけでも希少になっているのに、

さらにセルロイドの表面処理であまり採用されないマット加工なので、

 

気になったお客さまは「100発100中(G13か)」くらいで指定されます。

 

※4年以上これだけ掛けているが、歪まないし壊れないからそろそろ変えようかと

 

 

外観が「普通のお店で売っている感じのメガネ」では無くなるので、

掛けているだけで、

 

・「何それ?」と身内で話題になります。

・色々な人たちと「会話のネタ」になります。(1回くらいは)

・「ドコのですか?」と言われたら、じゃんじゃんPRしてください。(希望)

・「コレ、おれの世界にひとつだけのメガネ」という人と被らない優越感

 

このようなベネフィットは、よくレビューをいただくのですが、

 

扱いや保管に手間がかかります。

 

そこが「ややデメリット」だと思います。

 

手にすればわかるのですが、

 

ガラスパウダーを高圧で吹き付けて、フレームに「極めて細かい傷」を付ける

技法なので、光沢ではなく「曇った状態」でフィニッシュします。

 

曇った状態が故に、普段光沢のあるフレームを掛けていると

気にならないとは思いますが、

 

「脂汚れ(皮脂)」が付着すると、

 

そこだけテカリます

 

夏場はどこに汗が付いているかハッキリわかります。

 

 ※加工直後は物凄く綺麗なんですよね

 

 

細かい傷を付けて曇らせるということは、

 

大きい傷から見える傷は全て研磨する必要があります。

 

本当に綺麗なマット加工がしたいので、うちはマット加工に入る前に、

 

完全に磨き上げます

 

そのまま納品したいくらい磨き上げたあとに極めて細かい傷をつけます・・・・

 

※そのまま納品できるレベルの光沢研磨(Before)

※ガラスパウダーを吹き付けマット加工の完了(After)

 

「築き上げたものを敢えて壊す」と表現すればよろしいのでしょうか、

マット加工をするたびに、「その行為の奥行」を感じてしまいます。

 

 

最後に説明が不足していましたが、

皮脂汚れのテカリに関しては、ぬるま湯で洗えば元に戻ります。

4年近く、毎日掛けたまま風呂に入って頭と一緒に洗ったりしてますが、

毎日綺麗なマット状態が続いてますので、私はこれからもマット派です。

 

アイ ラブ マット