オクラみたいなメガネ

オクラ合同会社の運営する社内製造メガネブランド「RUISM」と「眼鏡ノ奥山」での日々の出来事を書くブログです。

オクラ合同会社の運営する自社ブランド「RUISM」と「眼鏡ノ奥山」は

完全自社内製造のメガネブランドです。

日々の制作で感じることや考えていることを書いております。

御注文をいただく前に御覧いただければ幸いでございます。

 

ファイヤー

制作工房の銀太郎です。

 

ファイヤー」というセルロイド生地を加工しています。

 

この生地はオレンジ色をベースに、赤色の濃淡のストライプ模様が不規則に並んでいます。

 

その色がのように見えることから「ファイヤー」とよばれています。

曲げてみると張りがあり、やや硬めの材質であることがわかります。

 

 

磨いて光沢を出すと、赤みの鮮やかさが際立ちます。

 

マットにして仕上げると、赤い木目のような風合いに仕上がります。

 

「何でも作れるの?」という御質問がよくありますが。

お世話になっております。

ヌシでございます。

 

先月から今月と激甚災害が続いてしまい、

被害に遭われた地域の一日も早い復旧と皆様が日常の生活に戻れるよう、

お祈りしております。

 

 

さて、最近、

 

 

「フリーハンドで描いた形状でも眼鏡にできますか?」

 

「(お客さま)私の想像を具現化してほしい」

 

 

このような御質問や御要望を頻繁にいただけるようになりました。

 

細かいことは今回は省きますが、

 

ちゃんと装着できて、長期間使えて、壊れにくく、楽しんでいただける

眼鏡を作るのって、

 

 

難しいです・・。

 

 

今日は実際に、ヌシが裏側でやっている、

来月上旬にやっと発表できそうな「セルロイド+貴金属メガネ」の

パーツ開発(一部)を少しだけ御覧いただければ幸いでございます。

 

 

まずはアイデアを「裏紙」に色々描くことから試作と開発が始まります。

 

「装着感が良いメガネを作る」ということは、

制作側からすると「各パーツが組立後に調整しやすい構造を考える」ことに

繋がると考えておりまして、

自社のオリジナルパーツを作るときは分解図のラフを描くことが多いです。

 

 

実際にラフを3Dに描き起こしてモニター上で可動させて、

 

・他のパーツに干渉しないか

・可動領域が適正なのか

・装着時に負荷がかかる場所の強度計算

 

最低でもこの3点は確認してから試作に入ります。

 

 

3Dで確認の次は、実際にパーツを切削するため2Dに戻って
NCフライス盤を動かすプログラムを作成します。

 

3Dも楽しいのですが2Dのほうがヌシは好きです

 

そしていつもの眼鏡フレーム切削のNCフライス盤へGO

 

※NCフライス盤で切削したセルロイドパーツ(ピンボケ)

 

制作工房にある機器や道具を駆使して開発を進めております。

このパーツは金属パーツ箇所なのでこのセルロイド原型を、

 

素敵な技術を使って金属に置き換えます。

 

※型取りを終えて生還したセルロイド原型

 

型を取ってロウ型を複製して鋳造します。

 

このジャンルの作業に詳しい方は、

 

随分と割愛するじゃないのヌシ

 

と思われているのも分かっております。

 

間にこのような、

様々な工程があるのですが、

 

全ては20年くらい前に励んでいた遠心鋳造機を使ったアクセサリー制作で

培った技術の応用でございます。

 

ここから金属に置き換えてパーツにするのですが、

とても長くなってしまうので今日はこのあたりで止めておきます。

 

皆様のお手元の眼鏡も同じように、

「試行錯誤を繰り返した結果」をお渡ししております。

 

できる限り自由に楽しく設計しているつもりですが、

 

足りない場合はぎりぎりまでお付き合いしますのでお気軽に御相談ください。

 

自社工房でメガネを愛している職人たちが造っておりますので、

末永くご愛用いただければ幸いでございます。

 

引き続き宜しくお願い申し上げます。

失礼いたします。

パール

制作工房の銀太郎です。

 

パール」というセルロイド生地を加工しています。

 

白地に貝殻のような光沢のある模様が入った生地です。

 

 

この材料は複数あるセルロイド生地の中で最も硬い材質です。

加工してみると、高い密度と強度のある張りを感じることができます。

 

磨いて仕上げると、真珠のような美しい光沢に仕上がります。

 

 マットにして仕上げると、大理石のような風合いにもなります。

 

 

 

ご提供価格を変更する代わりに

お世話になっております。

ヌシでございます。

 

帰宅してテレビをつけてラグビーのダイジェストを見ていたのですが、

 

スクラムを組んで押し合う理由が分からず、

 

押し合う足元にボールなんて放り込んだら邪魔だし危ないだろうと、

 

選手の心境を思うと腹が立ってチャンネルを変えてしまいました。

 

 

さて、

 

 

10月からの増税に伴い恐縮ではございますが、

 

ご提供価格を変更させていただきます。

 

しばらく据え置きで頑張ってみたのですが、

 

セルロイド生地や輸送料金、各パーツの価格高騰で、

残念ながら皆様へのご提供価格を変更する運びとなりました。

 

 

「世の中の流れに合わせてご提供価格を変更する」では、

 

なんていうか……その…下品なんですが…フフ……ダサいと思いましてね………

 

 

皆様に納得していただけるよう、

 

「さらに選択肢をふやしたセミオーダー眼鏡」

 

「オリジナルパーツで組み立てたレディメイド

 

価格を上げたなりにアップデートした眼鏡をお渡しできるように

現在も試作を続けております。

 

※オリジナルの金属パーツ試作たち

 

 

より楽しく選べて、

よりお顔に合わせてパーツごとに調整ができて、

より装着感がよくて

より存在感がある眼鏡を目指して精進してまいります。

 

 

引き続き宜しくお願い申し上げます。

失礼いたします。

考え方の違いというのか何といえばいいのか

いつもお世話になっております。

ヌシでございます。

 

日々、お客さまと会話して得られるお悩みやご要望が、

 

今まで描いた設計図をアップデートさせてくれたり、

 

新型番に取り入れてみたり、

 

自分で好き勝手に描いている初期の頃と比べて最近は

 

皆様と一緒に作り上げていることが多いです。

 

描いた設計図をメールでお送りして、

 

「もっとこんな感じで」

 

「攻め足りない」

 

「こうしたほうが美しい」

 

「0.5mm足りない」

 

皆様、ヌシより設計者に向いていると思えるほどの情熱があって

尊敬しちゃいそうになります。

 

 

初めから現在に至るまでブレていないのですが、

うちは2種類の商品を提供するようにしています。

 

その1:ご要望・ご希望に合わせたオーダーメイド

 

その2:様々なご要望を反映させたレディメイド

 

売店さんとは少々違う考え方で活動をしているので、

 

よく見かける、

 

「最適な眼鏡を提案します(在庫品の中から)」

 

こういうサービスがとても難しいです・・。

 

 

何が似合うかわからないから(ヌシが)選んで

 

と言われることが多々ありますが、

 

お客さまそれぞれの判断基準がわからないので無責任な発言は

したくないのが本音です・・。

 

丸か四角だったら丸のほうが優しく見えますね

 

くらいの、「手●占いレベル」のアドバイスで問題がなければウェルカムです。

 

 

裏側を見せたことがないのですが、

お客さまと会話をしながら何を見ているかというと、

 

 

骨格と配置を見てデータを残しております

 

 

※標準

 

※瞳孔間距離そのまま横幅増し

※横幅・瞳孔間距離増し

 

挙げたたらキリがないので3種類だけ掲載しますが、

過去からのパターンの蓄積で80パターンを超えています。

 

左右で耳の高さが違う

 

テンプルの長さを左右で変えないと水平に装着できない

 

目の位置が左右で違う

 

極端に鼻筋が太く左右の目の距離が近い

 

頬骨が出ている

 

お客さまごとに骨格・配置はまったく異なるので、

在庫品から何が似合うかではなく、

 

掛けたい形状を違和感なく装着するにはどう作るべきか

 

をいつも考えております。

 

形状やお色だけを考えて好き勝手に作ることは誰でもできるのですが、

 

骨格や配置までを含めての設計となると、

眼鏡は既製品ではカバーできないことがとても多いです。

 

視力矯正や保護器具としての眼鏡の役割を残しつつ、

満足していただける雰囲気を作ることを、いつも楽しんでおりますが、

どれだけ経験を積んでも毎回納品の度に緊張しております。

 

長くなってしまいました・・。

 

チャンネ・・

 

それではまた。

失礼しました。